二月です。受験シーズンです。毎日、毎日寒いのに、受験生は頑張っています。
受験の終わった生徒とはお別れです。○○くん、第一志望校合格、本当におめでとう!超難関校合格、本当に、本当に、よく頑張ったね!発表のときはものすごく緊張したんだってね。受かってて本当によかったね。お疲れ様でした。私も心からうれしいです。
○○くんは、私の理想の子ども像を体現したような子どもです。好奇心の塊で、なんでもおもしろいと言います。○○くんにかかったら、付箋紙もクリップもおもしろいのです。私にしてみれば、付箋紙なんかより、○○くんのほうがよっぽどおもしろいと思うのですが。
そんな調子で○○くんは、勉強していても、なんでもおもしろいと言ってくれました。辞書もおもしろい、言葉の由来もおもしろい、漢字の成り立ちもおもしろい、もちろん文章の内容もおもしろい、○○くんにとってはすべてがおもしろかったようなのです。
私はひそかに、○○くんはかならず第一志望校に合格すると思っていました。あんなになんでもおもしろいと言えたのは、勉強することを楽しめていた証拠です。そして、楽しく勉強できる子が、もっとも成果をあげることができると、私は信じているのです。○○くんのような子は、最強です。
もっとも、好奇心が旺盛なため、いろいろな方向に興味が散ってしまい、なかなか集中しないこともありました。でも、それこそが子どもの勉強なのかもしれません。子どもの勉強は、遊びとの境界線があいまいなのではないでしょうか。
私は、「試験が終わったら○○くんと会えなくなってさみしいな。」と言ってみました。○○くんは、「また、遊びに来てあげよっか?」と言ってくれました。ありがとう。でも、違うんだなあ。私は、小学校6年生の、今の○○くんとの別れを惜しんでいるんだなあ。
中学生の○○くんと会うのも、たぶん、すばらしいことには違いありません。でも、それはもう、今の○○くんではないのです。ボールペンやシャープペンシルを何本も分解したり、火遊びをしたりするのが大好きな○○くんではないのです。
そうしてみると、私たちは毎日、いろいろなものと少しずつお別れしているのかもしれません。自分を含めたすべてのものが、毎日少しずつ変わっていきます。今日の自分は明日には失われています。今日の自分と付き合えるのは、今日の自分だけなのです。
だからこそ、今のこの瞬間を大切にしなければいけないと思います。今のこの瞬間を大事にして、存分に味わって楽しむこと、そうすればよい思い出がきっとたくさんできることでしょう。
別れがあれば出会いがあります。昨日の自分に別れて今日の自分と出会ったように、また新しい生徒たちと私も出会いました。□□くん、○○ちゃん、今月からよろしくね。一緒に楽しく勉強しようね。
「また、先生のところに行ってもいい?月一回くらい。」「あれ?○○くん、また私のところに来てくれるの?もちろん、大歓迎だよ!」
実は、○○くんとはそんなやり取りもありました。○○くんの中学校は遠いから、前みたいには来られないかもしれないね。私はずっと待っているから、いつでも来られるときに来てね。そして、一段とパワーアップした中学生の○○くんの姿を、ぜひ私に見せてください。
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