* アカオニグモと、そのエサになる虫たちの生態について学びました。アカオニグモは、網をはって、エサになる虫がかかるのを、葉っぱのかげの隠れ場所にひそんで、じっとしんぼう強く待
ちます。
学んでいくと、いろいろな疑問がわいてきます。作文には、その疑問を書いてもらいました。
* 男の子の疑問と、それに対する仮説です。
(疑問の)一つはヒラタアブがクモのあみの前で急に止まりくるりと方向をかえられたことです。自由に飛ぶ方向をかえられたとしてもたまたまとは思えません。アブは目がよく細かく見えるのです。なのであみが見えたのかもしれません。でも人間にも、クモのすが見えないことがあるのでふしぎです。
もう一つは、クモは飢えにとても強く何も食べなくても水さえあれば何十日も生きていけるのですごいと思いました。でもなぜ何十日も何も食べなくて生きていけるのかとてもぎ問に思います。
ぼくは、クモと人間は体の作りがちがうんだなと思いました。クモは人間より虫がとれることが少ないから(人間にはいつも食べものがあるけれど、クモはなかなかエサを取れないから)、(何も食べなくても)何十日も生きていけるんだと思います。
* 女の子の疑問と、仮説です。
わたしは、クモがカメムシをつかまえて、いとをぐるぐるまきにして、かくればしょにはこんでいくときに、すべったりして、おちないのかなと思いました。
わたしはクモは目があまりよくないのかなと思いました。なぜなら、クモは、ムシがあみにひっかかったときのゆれで、ムシがひっかかったとわかるからです。ほかにもクモは、かかったムシをすぐにみつけられないからです。
* 作文を書いてもらった後で、話し合いをしました。
アリー塾長 : みんなはクモになりたい?クモになって、網をはって、虫がかかるのを
じっと待てる?
女の子 : ええーっ?やだあ…。
アリー塾長 : じゃあ、何にだったらなってもいい?
女の子 : 犬とか猫とか…。飼われてる犬とか猫とか。
アリー塾長 : ○○ちゃんはどうして犬とか猫になりたいの?
女の子 : 自由だから。宿題とかもないし…。
アリー塾長 : 確かに、猫なんかは気ままに暮らしてるよねえ。
○○くんは何にだったらなってもいい?
男の子 : ぼくはアリ。夏に一生懸命働いて、ためたものを食べて冬過ごす。
(イソップの「アリとキリギリス」の影響かな?)
アリー塾長 : アリになりたいんだ?
男の子 : 人間じゃない生きものは、自然の中だけで生きていけるからいい。
アリー塾長 : ああ、なるほどー、おもしろい考え方だねえ。そうだねえ、人間以外の
生きものは自然の中だけで生きていけるよねえ。自然の中だけのも
のを使って、自然の中だけのものを食べて。
人間は人工的に作ったものの中で生きているよねえ。それがなかっ
たら生きていけないよねえ。○○くんは自然の中で生きていきたいん
だ。
男の子 : うん。
アリー塾長 : 人間も、なるべく自然の中で、自然と一緒に、自然に近い生き方が
できるかもしれないよ。○○くん、将来研究してみたらどうかなあ。
○○くん、虫も好きだったよね?
男の子 : (うなずきます。)
アリー塾長 : 大学の農学部でそういう研究ができるよ。
* ところで…
女の子の作文にはこんな一節がありました。
「(なかなか結果がでなかったら、私はかんさつを)あきらめると思います。なぜなら、虫がたくさんいてきもちがわるいし、はちとかがいて、さされそうでこわいし、ガとかハエはきたないからです。」
これはこれで、正直でとてもよいと私は思いました。嫌いなものは嫌いです。好きになるときがくれば、そのときに観察すればよいのです。何はともあれ、とりあえず自分の正直な気持ちに向き合わないと、本当の意味で先には進めないと思います。
* アリー塾長の一言
研究は、まずは疑問をもつことから始まります。どうなっているのか、どうしてそうなのかと考えることが第一歩です。次に、どうなっていそうか、どうしてそうなるのか、自分で理由を考えて、仮説をたててみます。そうして、たてた仮説にもとづいて、実験や観察や調査をおこないます。実験や観察や調査の結果、仮説が正しかったり、間違っていたりすることが証明されます。
今回の作文には、疑問と仮説がそれぞれ書かれていました。みんな、研究への第一歩を疑似体験することができました。
ところで、○○くんの「自然の中だけで生きていける生きものになりたい」という意見には感動しました。自然の中だけで生きていければ、環境破壊をすることもないでしょう。○○くんには、ぜひ、人間もそのような生きものに近い生き方ができるようになる研究を将来してもらいたいものです。
http://www.ko-to-ha.com/
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