2014年10月18日土曜日

文化ってなに?

* 小さな南の島の人たちのくらしについて学び始めました。島の人たちは、私たち日本人とは異なった文化をもっています。

アリー塾長   :   「文化」って言葉を知ってる?

生徒たち    :   (うなずきます。)

アリー塾長   :   じゃあ、「文化」ってなに?説明できるかな?

男の子     :   えっと…、なにか、その国だけにあるもの…。

アリー塾長   :   ああ、そうだねえ、まずはそんな感じでいいかな?じゃあ、どんなものが「文  
              化」だと思う?なにか、具体的なものをあげられる?

男の子     :   和食…。

アリー塾長   :   ああ、いいねえ。そうだねえ。それは「文化」だねえ。ほかにはないかな?
             

女の子     :   着物?

アリー塾長   :   あ、そうそう、それもりっぱな「文化」だね。ほかは?まだまだたくさんあるよ。

女の子     :   お正月にやるバドミントンみたいなやつ…。

アリー塾長   :   ああ、羽根つき?そうだねえ、それも「文化」だ。羽根つき、凧揚げ、コマ回 
              し、遊びはみんな「文化」だよ。

              ほかにはもう出てこないかな?「文化」たくさんあるよ。ほら、これも「文化」
              だ。(畳を指さして、)畳!これも「文化」。

              (正座して、)それからこれも「文化」、正座!(そのままおじぎして、)これも
              「文化」。日本人はこうやってあいさつするけど、違う国の人はこういうあいさ
              つをしないよ。

              衣食住、着るもの、食べるもの、住むところ、すべてが「文化」。それから、い
              ろいろな決まりや規則、お祭りなんかも「文化」。言葉ももちろん「文化」だ
              よ。


              じゃあ、辞書で、「文化」っていう言葉を調べてみよう!

* 「文化」の意味は、みんなの小学生用の辞書には簡単にまとめられていました。大人用の辞書にはもう少し詳しく書いてあります。たとえば三省堂の『大辞林』には次のように書かれています。

 
① 社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体。言語・習俗・道徳・宗教、種々の制度などはその具体例。文化相対主義においては、それぞれの人間集団は個別の文化をもち、個別文化はそれぞれ独自の価値をもっており、その間に高低、優劣の差はないとされる。

② 学問・芸術・宗教・道徳など、主として精神活動から生み出されたもの。

* アリー塾長の一言

 私にとって、「文化」という言葉はすべての言葉の中でも、もっとも興味深い言葉の一つです。「文化」が、「社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体」だとすれば、「文化」とは、人間が生きていくためにするすべての工夫のことではないでしょうか?「文化」は、人間の生き方すべてにかかわっているものなのです。

 そうであるとするならば、「文化」は、人間が幸せに生きていくための助けであってほしいと思います。『大辞林』の解説にもあったように、「文化相対主義」は、個別文化の間に高低、優劣はみとめず、すべての文化を尊重します。ですが、そのような個別文化の中には、その文化圏に生まれた人をかならずしも幸せにしないようなものもあるのです。

 現在でもアフリカの一部地域などに残っている女子の割礼が、そのような「文化」の一例です。女子の割礼は、割礼を受ける思春期の少女の人権を侵害するだけでなく、劣悪な衛生環境下でおこなわれるため、健康被害を引き起こし、ときには施術を受ける少女の命を奪うことさえあるそうです。

 この女子の割礼については以前から問題視がされており、当事者の女性が声をあげるなどして、反対活動もおこなわれています。しかし、その地域の一部の人々は、割礼は「文化」であり、伝統であるとして、廃止するわけにはいかないというのです。

 同様に、私たちの「文化」の中にも、私たちを幸せにしてくれないものがあるかもしれません。「文化」は、生まれた時から私たちの周囲にあり、当然のこととして私たちの生活になじんでいます。ですから、そのような「文化」を疑うことはとても難しいのですが、時々問い直してみる価値はあるのではないでしょうか?

 「文化相対主義」自体に問題はありません。すべての個人が尊重されるのと同様に、すべての個別文化は尊重されるべきです。けれども、尊重される「文化」が人間を幸せにする「文化」であったなら、もっともっといいなあと私は思うのです。

 
 
http://www.ko-to-ha.com/
 


     

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