「ことは塾」は、千葉県千葉市を拠点とした、対話型の国語(日本語)と作文の専門教室です。この未曾有の変化の時代に、自分で考え、意見を伝えられ、行動のできる人材を育てることを目的としています。このブログでは、実際のクラスで行われた対話の様子や、日ごろ気づいたことなどをつづっていきます。 日本人の母語である日本語は、日本文化特有の価値意識や思考形式そのものです。「ことは塾」は、その日本語をつかった「対話」によって、生徒の考えを引き出します。生徒は日本語の対話をとおして、自身の思考を深め、日本語で考え、日本語で表現していくことを学びます。 * 対話の中の「アリー塾長」は、ことは塾塾長もりいのニックネームです。
2014年2月10日月曜日
自分を守る!
トマトが、自分の身を守るためにもっている秘密について学びました。トマトは虫にいたずらされないように、茎に生えている毛から、いやなにおいを出しているのです。
アリー塾長 : トマトの秘密はすごいね。そんな秘密があるから、トマトには虫が近づけないんだね。
ほかにも自分の身を守る工夫をしている植物があるかな?
女の子 : 私は前にオクラをつくったんだけど、オクラにもとげがあった。
オクラのとげも虫よけかな?
アリー塾長 : よく思い出したね。で、オクラに虫はつかなかった?
女の子 : うん、つかなかった。
男の子 : ぼくのオクラには虫がついたよ。
アリー塾長 : そう?じゃあ、オクラのとげは虫よけじゃないのかな?
詳しく調べてみないとわからないね。今度、調べてみようね。
ほかには?
男の子 : 栗は食べられないようにしている。とげがあるから。
鳥などから身を守って工夫している。
アリー塾長 : ああ、そうだね。栗のいがはとげだらけだから、触ると痛いよね。
鳥も動物も、いががあったら栗を食べられないね。
男の子 : トマトじゃないほかの花は、なんで蜜を吸われるようにしてるんだろう?
トマトみたいにすればいいのに不思議。
蜜を吸われないようにしている植物ってあるのかな?
アリー塾長 : ああ、いいところに気が付いたね。
花はなんで虫に蜜を吸われるようにしているんだろうね。
女の子 : クモは虫なのに、なんで虫を食べるのかな?
普通の虫は葉っぱを食べるのに。
アリー塾長 : クモがどうして葉っぱじゃなくて虫を食べるのかは、クモに聞いてみないとわからないかもしれないね。
クモは葉っぱじゃなくて、虫を食べる虫なんだって、みとめてあげるしかないね。
そうそう、トマトには虫をやっつける秘密があったね。
だから、トマト畑にクモがいても、エサになる虫は来ないね。クモはおなかがすいて困ってしまうね。
生徒たち : 引っ越しすればいい。
アリー塾長 : どこに?
女の子 : かぼちゃ畑とか。
アリー塾長 : それはいい案だね!
女の子 : かぼちゃ畑には虫がいっぱいいて、クモもうれしいし、虫をとってもらえて、かぼちゃもうれしい。
アリー塾長 : そうだねえ、かぼちゃ畑にクモが行けば、たくさんエサが食べられて、クモもうれしいし、虫をとってもらえて、かぼちゃもうれしいよね。
両方の生きものにとっていいことだよね。
* アリー塾長の一言
どんな生きものも、過酷な環境の中で生きていくのには、工夫をしなければなりません。今回は、トマトが自分の身を守るための工夫について学びました。葉を食べてしまうような虫はトマトにとっては敵です。敵を撃退するために、トマトは秘密の力をもっているのです。
ところで、今回は、植物とその敵である虫の戦いの話であるはずでした。ところが、植物と虫はかならずしも敵同士ではないのではないか、という話も同時にでてきました。蜜を吸われる花の話と、クモとかぼちゃの関係の話です。
この植物と虫が助け合って生きている話は、次回に学びました。植物と虫は、敵対するだけでなく、お互いに補い合って生きています。生きものはつながっているのです。
…さて、自分の身を守るというのは人間にも必要なことです。ですが、また、信頼できる人とつながって、お互いに助け合って生きていくということも大事なことだし、幸せなことです。人間関係って、いくつになっても難しいなあ、と私などは思いますが、そのあたりのバランスが、自然はとてもうまくいっていると感じます。自分を守りすぎて孤立するでもなく、相手に依存しすぎるでもない…。やはり最後は自然に学べ!ですかね。
http://www.ko-to-ha.com/
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